Our Story's Park(7)
-Menu-
サイト紹介
サイトマップ
ニュース
作品一覧
OSP資料館
メール
ブログ
OSW ChanneL
rular channel
OSW THEATER


「ハヤテのごとく!」二次小説

 ハムスター狂想曲


 ここは負け犬公園。
 天性の普通少女・歩は、公園のベンチに座って悩んでいた。
「はぁっ……。
 テストの点は上がらないし、ハヤテ君ともなかなか会えないし……。
 これじゃ、ナギちゃんにもヒナさんにも勝てないよぉ……」
 女子高生の悩みは尽きないのである。
 そこへ現れたのは、生徒会三人娘。
「どうしたんだ?歩君」
「あ、あなた達は、確か……。
 ヒナさんを困らせてたよくわからない三人組!!」
「その覚え方はひどいんじゃないかな?歩ちゃん」
「で?さっきの感じだと、何か悩みがあるみたいだけど」
「あ、はい……実は……」
「あ、ストップ。
 まずい事になりそうだから、泉、どっか行って」
「何で!?」
「泉がいると、おそらくややこしくなる」
「ひどいよ美希ちゃん!」
「ひどくない。後で呼んでやるから、ヒナの着替えでも撮ってきて」
「……ううっ……」
 泉はトボトボと去っていった。
「いいんですか?」
「大丈夫だ。泉なら、おそらく1分もかからず立ち直るから」
「はぁ……」
「それで?何の悩み?ハヤ太君か?」
 歩が慌て出した。
「な……なんでわかったのかな!?」
「いや、何となく。
 そのために泉にも席を外してもらった訳だが……」
「そうなんですか……」
 歩は、とりあえず、ナギにもヒナギクにも勝てそうにない、という事を打ち明けた。
「確かに、今の歩君とハヤ太君を結び付けているのは、『喫茶どんぐり』のバイトだけだしな」
「はうっ!」
「ヒナのような超人スペルも、ナギのような財力も、鷺ノ宮君のような特殊能力も、泉のような明るさもない、ごく普通の少女だしな」
「はううっ!!」
「第一、一度フラれているわけだし……」
「……やっぱり、私には無理なのかな……」
 歩はすっかり落ち込んだ。
「まあまあ。だが、チャンスがないわけではないぞ?」
「本当ですか!?どうすれば……!!??」
「ハヤ太君をめぐる恋愛関係は複雑だ。
 そんな中、『普通』だけでは勝ち目はないが、何か一つでも、ライバルに勝る事があれば、勝率はぐーんと上がるはずだ」
「そうですか!?でも、私にはとりえなんてないしなぁ……」
「ないなら作る!それが恋愛の世界よ!!」
「は……はい!!」
「よし!そうと決まったら、さっそく、必殺技の特訓でも……」
「……あの、それは無理なんじゃないかな?」
「諦めるな!ヒナは強いが、必殺技は持ってない。
 必殺技を使えるようになれば、ヒナにも勝る超人になれる。
 というわけで……」
 美希と理沙は、彼女達の学年主任、牧村志織を呼んできた。
「どうしたの?花菱さん、朝風さん」
「実は、この子が必殺技を習得したい、と言ってるんです。そこで、エイトを貸してほしいんですが……」
「うん、いいよ♪
 でも、死なないように気をつけてね?」
「はい」
 志織は、それだけ言うとエイトを置いて上機嫌で帰っていった。
「……というわけで歩君!このロボを倒すんだ!!」
「無理です!!」
 歩は速攻で断ったが、二人とも意に介さなかった。
「じゃ、エイト!歩君を、死なない程度に倒せ!!」
「……嫌です。牧村さんに嫌われたくないので」
 エイトが断った。
 今は初期のように凶暴ではないのだから、当然である。
「仕方ないな。おい、美希。あれを使え」
「わかってるわよ」
 美希はどこからかノートパソコンとスピーカーを取り出すと、何やら操作を始めた。
「あの……何をするつもりですか?」
「よし……準備OKよ!」
 そういって、美希はENTERキーを押した。
 すると……。
『お前みたいな奴に看護されるくらいなら死んだ方がましだ』
 スピーカーから音が出た。
 しかも、歩の声そっくりだ。
「はわわ!何なのかなこれは!?」
「これは、泉が父親にねだって作ってもらった、初●ミクの歩君バージョンだ。
 歌も歌えるぞ。下手だが」
「そんなものどうやって作ったんですか!?」
「簡単だったぞ。あいつの家、●ニーだから」
「ええ!?」
「……よくもオレの事をバカにしたな……」
「いや、私じゃないよ!!」
「ロボだから、簡単にだませるんだ。
 特に、髪をほどいただけで混乱するような、牧村先生のロボだしな」
「デストローイ!!!」
 エイトが10発のミサイルを打ち出した。
 理沙が美希に尋ねた。
「お~い、美希。
 これ、ひょっとして、私達もやばいんじゃないのか?」
「そうみたいだな~」
「呑気に言ってる場合じゃないですって!!」
「逃げろー!!!」
 三人は必死に逃げた。
 しかし、ミサイルは刻々と迫ってくる。
 そして……。
「もうダメー!!」
 その時……彼は現れた。
 そう……まさに、疾風のごとく。
「大丈夫ですか?皆さん」
 颯爽と現れたハヤテは、三人を抱えてエイトを跳び越えた。
「ああ、助かったよハヤ太君……。
 ところで……」
「ちょうどいい!復讐のチャンスだ!!」
「あのロボを何とかしてくれ」
「いや、何で僕なんですか!?」
「いろいろと事情が……。
 まあ、元はといえば君が歩君を惚れさせたのが悪い」
「というわけで、頑張れ」
「いや、その理屈、いろいろとおかしいですよ!!」
 そう言っている間にも、エイトは近づいていた。
 ハヤテは反射的に三人を抱えてまた跳び、エイトの後ろに回り込むと、いったん三人を下ろし、後ろから強烈な蹴りをお見舞いした。
 さらに、とどめとばかりに近くに置いてあった機械を投げつけた。
 エイトはフリーズした。
「いやー……、助かったよハヤ太君」
「いえ、このくらい平気ですよ」
 さすがガンダムの生まれ変わり。
 すると、美希が咳払いをした。
「ところで……。
 そのスピーカー、300万円なんだが」
 美希が指差したのは、ハヤテがエイトに投げつけた機械……もとい、スピーカー。
 ハヤテは、美希のスピーカーを投げつけていたのだ。
「えーと……その……」
「まあ、これは私達にも責任があるから……
 私と、ハヤ太君で、2:1で弁償、という事にしようじゃないか」
 こうして、ハヤテの借金がまた100万、増えたという。
 そして……。
「ハヤテ君……やっぱりかっこいい……」
 結局、歩はそういう結論に達した。



二次小説一覧 トップへ



   
inserted by FC2 system